玄米を美味しく、かつデメリットを無くす炊き方


玄米のデメリットを無くす炊き方

玄米には、ビタミンやミネラルだけではなく、『フィチン酸』『アブシジン酸』という健康に悪い影響を及ぼすとされる成分も含まれています。

今回は、『フィチン酸』『アブシジン酸』の詳細とこれらの害を最小限にする炊き方についてご紹介いたします。





玄米に含まれる『フィチン酸』とは?



1.フィチン酸とは?

フィチン酸は、玄米や全粒穀物、豆類、ナッツなどに含まれる成分で、植物が栄養を蓄えるために持っている物質です。

 

2 フィチン酸のデメリット

フィチン酸には、「ミネラル吸収を妨げる性質」があります。


これは「キレート作用」と呼ばれ、カルシウムや鉄、マグネシウム、亜鉛などの大事なミネラルと結びつき、体内での吸収を邪魔することがあります。


フィチン酸には、よい面もあり、抗酸化作用により体を酸化の害から守ってくれる働きもあります。



フィチン酸の影響は食生活全体で考えるべきです。バランスの取れた食事をしていれば、大きな問題にはなりません。

3 フィチン酸を減らす方法

玄米を調理する際に以下を試すと、フィチン酸の影響を抑えられます:

浸水時間を長くする:長時間水につけることで一部が分解されます。
発芽玄米にする:発芽させるとフィチン酸が減少します。


補足〜フィチン酸は玄米以外にも豆類・雑穀にも含まれる!

フィチン酸を分解するために、穀物や豆類を水に浸ける時間は種類によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。


フィチン酸分解の目安時間

  1. 穀物(玄米、雑穀など)

    • 時間6~12時間
    • 手順:
      1. 玄米をよく洗う。
      2. 水に浸けて、6~12時間置く。
      3. 水を捨ててから調理(浸け水は捨てることで分解された成分を取り除けます)


  2. 豆類(大豆、ひよこ豆、レンズ豆など)

    • 時間8~24時間
    • 手順:
      1. 豆を洗う。
      2. 水に浸けて一晩(8~24時間)置く。
      3. 水を捨ててから調理。

  3. ナッツや種子

    • 時間4~8時間
    • 手順:
      1. ナッツや種子を水に浸ける。
      2. 浸け水を捨て、乾燥させて使用。

ポイント

  • 温度: 水温が20~40℃程度だと酵素が活性化し、フィチン酸分解が進みやすくなります。

  • 塩を少量加える: 水に少量の塩(小さじ1程度)を加えると、フィチン酸分解を促進することがあります。

  • 発芽: さらに効果を高めたい場合、浸水後に発芽させることでフィチン酸をより多く分解できます(発芽玄米など)。

なぜ浸水が有効?

浸水により、穀物や豆に含まれる「フィターゼ」という酵素が活性化し、フィチン酸を分解してくれます。ただし、分解の程度は完全ではなく、調理や発酵と組み合わせることでさらに効果を高められます。


玄米に含まれる『アブシジン酸』とは?

アブシジン酸は、植物がストレスに対抗するために生成する成分で、一部の健康リスクが懸念されることがあります。

特にアブシジン酸は『発芽抑制物質』としても知られており、過剰摂取すると代謝やホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があります。

そのため、アブシジン酸を減らす方法が注目されています。

以下の手法を使用すると、アブシジン酸を減少させることが可能です。

①発芽玄米にする
②圧力鍋や長時間の炊飯でしっかりと炊く
③浸水時間を6〜12時間以上にする
④寝かせ玄米を作る
⑤発酵食品と一緒に食べる



  1. 発芽玄米にする

    • 玄米を一定時間水に浸けて発芽させることで、アブシジン酸の量が減少します。発芽させる過程で、酵素が働きアブシジン酸が分解されます。
    • 方法:
      1. 玄米を軽く洗浄する。
      2. 20~30℃の水に12~24時間浸ける(途中で水を交換)。
      3. わずかに芽が出るのを確認して炊飯する。

  2. しっかりと炊く

    • アブシジン酸は熱に弱いため、玄米をしっかりと炊くことでも減少させることができます。圧力鍋や長時間炊飯を活用すると効果的です。

  3. 浸水時間を長くする

    • 発芽しなくても、玄米を水に長時間浸けるだけでもアブシジン酸の溶出が期待できます。
    • 6~12時間程度、浸水するのが一般的です。

  4. 寝かせ玄米を作る

    • 酵素玄米(寝かせ玄米)は、小豆と塩を加えて炊いた玄米ごはんを数日間保温して熟成させたもので、発酵と熟成を利用して作られます。

      これにより、アブシジン酸がさらに分解される可能性があります。


  5. 玄米を発酵食品と組み合わせる

    • 発酵食品(味噌、麹など)と組み合わせて食べることで、体内でのアブシジン酸の影響を軽減する効果があるとされています。


玄米の健康効果はアブシジン酸だけでなく、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素に由来するため、過度に恐れる必要はありません。

ただし、毎日・毎食玄米ごはんを食べる方は、上記の方法を取り入れ、玄米のデメリットを無くすことがおすすめです。


玄米のデメリットと言われる『フィチン酸』『アブシジン酸』のまとめ


上記のように、

● 玄米を12時間以上水につけておき、水を変えてから炊くことで、玄米のデメリットとも言われるこれらの成分を減少することができます。



玄米の炊飯方法

玄米を炊くときには、しっかりと洗って、水につけておくことが大切です。
ふっくらと美味しく炊ける方法をいくつかご紹介いたします。


炊飯方法

方法① 炊飯器で炊く

  • 玄米モードがある炊飯器を使うと簡単!
    • 水の分量: 玄米1合に対して水は1.5~2倍(硬さの好みに応じて調整)。
    • 炊飯時間: 玄米モードを使えば自動で最適な時間を調整してくれます。

方法② 土鍋や圧力鍋で炊く


土鍋や圧力鍋を使うと、さらにふっくらと香り豊かな仕上がりになります。

土鍋の場合:

玄米と水を鍋に入れる(1合に対して水2倍)。
強火で沸騰させ、弱火で30~40分炊く。
火を止めて10~15分蒸らす。


圧力鍋の場合:

玄米と水を鍋に入れる(1合に対して水1.5倍)。

中火で加熱して圧がかかったら弱火で20分炊く。




玄米をさらに美味しくするために加えるといいもの

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