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池の水を抜いてみよう!体の「代謝池」をクリアに保つために
テレビ番組などで「池の水を抜いてみよう」という企画をご覧になったことはありますか?
はんなり堂薬局がある岩出市のお隣、和歌山市でも『和歌山城のお堀の水を抜く』
大作戦が、昨年9月に実施されました。
お堀の水を抜いてみると・・お堀に棲む生物の他にも、たくさんの『ゴミ』が発掘されたようです。
池の水を抜いてみると、普段は見えないゴミや汚れがたくさん出てきて驚かされますよね。
実は、私たちの体にも同じようなこが起こっているんです。
体の新陳代謝が悪くなると、体内の「池」──つまり、体を潤す津液のめぐりが悪くなり
老廃物がどんどん溜まってしまいます。
その結果、むくみや疲れ、肌荒れ、肥満など、体にさまざまな不調が現れます。
東洋医学でいう「津液(しんえき)」は、体の中の体液全般を指し、血液やリンパ液
汗、涙、唾液なども含まれます。
この『津液』には、身体を潤し、栄養を運び、老廃物を排出する役割があります。
津液のめぐりが悪くなると、代謝に次のような影響を与えるとされています。
1. 老廃物の排出が滞る
津液は体内の不要物や毒素を運び出す働きがあります。
そのめぐりが悪くなると、老廃物が蓄積しやすくなり、むくみや倦怠感、肌荒れなどが
起こりやすくなります。
2. 水分代謝の乱れ
津液のめぐりが悪くなるとと、体内の水分バランスが崩れ、「水滞(すいたい)」と呼ばれる状態
になることがあります。
これにより、むくみ冷え、余分な水分が体内に溜まることで代謝がさらに悪化します。
3. 気血の巡りへの影響
津液の流れは「気」と「血」と深く関係しています。津液の停滞は「血の滞り(瘀血)」や
「気の巡りの悪さ(気滞)」を引き起こし、代謝機能が低下して、エネルギー生成や
老廃物の処理がスムーズに行われなくなります。
4. 冷えや肥満の原因
津液が停滞すると、体内で余分な湿気が「痰湿(たんしつ)」として蓄積し、冷えや肥満、だるさを招きます。
これは代謝低下によるエネルギー不足の結果と考えられます。
✔︎ そんなに食べていないのに太る
✔︎ いつも手足が冷えている
✔︎ 胃腸が冷えて下痢する
✔︎ 体がだるく、すぐに疲れる
✔︎ 動くのがおっくう
水を飲んでも代謝は良くならない!
代謝を良くするために『水を飲みましょう』とするダイエット法がありますが、
東洋医学的な視点からは、「水を飲むだけでは絶対に代謝は良くなりません」
なぜなら、水分をうまくめぐらせるためには他の要素(気や血の働き、脾=消化力、腎=水を出す力など)
が重要だからです。
1. 「水を飲む=巡りが良くなる」ではない理由
東洋医学では、体内の水分(津液)は「脾(ひ)=消化器全般」の働きによって全身にめぐると考えています。
脾の力が弱いと、水を飲んでも正しく吸収・運搬・排泄されず、逆に「水滞(すいたい)」
と呼ばれる状態が起こり、余分な水分が体内に溜まります。
これがむくみや冷え、代謝低下の原因になるのです。
特に冷たい水は、胃腸を冷やし、さらに胃腸の働きが低下する原因となります。
2. 脾と腎の働きがカギ
東洋医学では、以下のような臓の働きが水分代謝に密接に関わっています
- 脾(消化吸収の中心)
脾は飲食物を消化し、必要な栄養や水分を全身に運ぶ「気=エネルギー」を生み出す役割があります。
脾の力が弱いと水分が「湿」となり、体に溜まりやすくなります。 - 腎(水分調整の要)
腎は余分な水分を排泄する働きを司ります。
腎が弱ると排泄機能が低下し、水分が体に停滞し、代謝が悪くなります。
これらの働きが整っていなければ、いくら水を飲んでも適切に代謝が促進されないのです。
東洋医学では、老化は『腎』から始まるとされています。
高齢になり、老化が進むのは『腎』の力が弱まるためなのです。
『腎』は、私たちの生命力が宿る場所でもあり、さらに老廃物を排泄するための要でもあります。
『腎の力』が弱まると、老廃物がどんどん体に蓄積して、やがてそれに耐え切れなくなってしまうのですね。
3. 「気」の不足も問題
「気」は津液(水分)を体中に巡らせるエネルギーのようなものです。
気が不足すると、水分は滞りやすくなり、代謝が低下します。
特に、ストレスや過労、睡眠不足でいつも疲れている(気=エネルギーが不足している)
現代人で、水を飲んでもそれを体の水と
4. 東洋医学的な代謝改善のポイント
改善のためのアプローチ
- 運動: 血流とともに津液の巡りを促進します。
→ 特に軽い有酸素運動は気血の循環を改善します。 - 食事: 体を温め、余分な水分を排出する食品(ショウガ、ネギ、ハトムギなど)
を取り入れる。 - 冷たい水を避ける
→ 冷えは脾の機能を低下させ、代謝をさらに悪化させます。 - 漢方薬や健康食品を利用する
五苓散(ごれいさん)や防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
など、水分代謝を整える漢方薬が用いられます。
また、健康食品やサプリメントも代謝改善に役立つものがございます。 - お灸やマッサージ: 特定のツボを刺激して津液や気血の流れを改善します。
つまり、東洋医学では水を体内で正しく活用する力を高めることが、代謝改善のカギと考
えています。
食事や生活習慣の見直しは第一優先事項ですが、『漢方薬』や『健康食品』はそのサポートを
し、より早く結果を出すお手伝いをすることができます。
気になる方はご相談ください。