
毎日使う味噌こそ、「本物」を選びたい。
料理の味を決めるだけでなく、私たちの体づくりにも深く関わる調味料——それが味噌です。
でも今、スーパーに並ぶ味噌の中には、大量生産されて発酵が十分でない「なんちゃって味噌」も少なくありません。
せっかく体にいいはずの味噌も、選び方を間違えると、その力を発揮できないことも…。
だからこそ、毎日使う調味料には“本物”の目を。発酵の力をしっかり活かした味噌選び、今日からはじめてみませんか?
目次
味噌って、何からできているかご存知ですか?
毎日の日本の食卓に欠かせない味噌汁を始め、味噌は調味料として様々な料理に使われています。
でも、「味噌って何から作られるの?」と聞かれると、意外とすぐには答えられないかもしれません。
味噌は、とてもシンプルな材料で作られる、昔ながらの発酵食品。
だからこそ、素材の良し悪しや作り方で、味も栄養も大きく変わってきます。
まずは味噌の基本を知ることが、“本物の味噌”を選ぶ第一歩です。
【味噌の基本構成 たった4つのシンプルな食材】
味噌は、基本的に以下の原材料から作られます:
- 大豆:主なタンパク源。蒸すか煮て使用。
- 麹(こうじ):発酵を促す微生物。米麹、麦麹、豆麹が主に使われます。
(これによって麦味噌・豆味噌・米味噌に分類されます) - 塩:保存性と味付けのために使用。(天然塩がいい!)
- 水:原材料を混ぜる際に使用。(お酒と同じで水が綺麗な地域で作られることが多い!)
発酵期間や材料の比率により、味・香り・色・栄養価が大きく変わります。
同じ「味噌」でも、地域によってこんなに違う!
味噌汁、田楽、味噌炒め…。私たちの暮らしに根づいた味噌は、実は地域や材料によって、さまざまな種類があります。
ご当地味噌を入れるとものすごくたくさんありますが、ここでは
主に九州地方で人気のほんのり甘くて香り高い「麦味噌」
愛知県で主力の、力強いコクが魅力の「豆味噌」
バランスがよくて全国的に親しまれている「米味噌」
についてご紹介いたします。
🧂味噌の種類別比較表

🗾 地域と味の好みの関係
米味噌:広く普及しており、東北では塩辛め、関西では甘口の白味噌とバリエーション豊か。
麦味噌:甘くて香ばしい風味が九州・四国地方の温暖な気候と甘党の食文化に合っている。
豆味噌:長期保存できるため、保存食文化の強い愛知県(三河地方)で発展。
💡各味噌の使い分けポイント

味噌によって栄養はこんなに違う!
なんとなく「体にいい」と思って使っている味噌。
でも実は、麦味噌・豆味噌・米味噌では、栄養の特徴に違いがあります。
たとえば、腸活にうれしい食物繊維が多いもの、たんぱく質が豊富なもの、うま味成分の違いなど・・
毎日使う調味料だからこそ、味だけでなく“栄養の違い”にも目を向けて、家族の体調に合った味噌を選んでみませんか?
🌱栄養面での特徴比較(100gあたり参考)

味噌は『熟成させる』ことが命!
熟成によって本来のうま味成分や健康に役立つ成分がアップする味噌。
味噌は、時間がつくる“自然のくすり”です。
味噌の本当の力は、材料だけではなく「どれだけじっくり熟成されたか」によって大きく変わります。
時間をかけて発酵・熟成された味噌には、酵素やアミノ酸、乳酸菌など、体にうれしい成分がたっぷり。
けれど最近では、発酵を途中で止めた“速成タイプ”の味噌も多く、健康のために選んだはずの味噌が、実は力を発揮しきれていないことも…。
だからこそ、毎日口にする味噌こそ、「本物の熟成」に目を向けてみましょう。
🍲長期熟成味噌の栄養的メリット
✅ 1. うま味成分(アミノ酸)が豊富
- 発酵期間が長いとたんぱく質が分解されてアミノ酸(特にグルタミン酸)に変わります。
- これにより、コクや旨味が強くなるだけでなく、アミノ酸は体内での修復・代謝にも重要な役割を果たします。
➡️ ポイント:豆味噌(八丁味噌)はたんぱく質が多く、アミノ酸量もトップクラス!
✅ 2. ポリフェノール・メラノイジンが多い
- 長期間の熟成中に「メイラード反応」が進み、褐色の色素「メラノイジン」が増加します。
- メラノイジンには以下の効果が期待されます
- 抗酸化作用
- 腸内環境の改善(プレバイオティクス効果)
- 老化防止や生活習慣病予防への可能性
➡️ 赤味噌や豆味噌が濃い色をしているのは熟成期間が長いためです。
✅ 3. 有機酸・ビタミン類の増加
- 長期間発酵させることで、酵母や乳酸菌の活動が活発になり、以下の成分が生成されやすくなります
- 有機酸(整腸作用、疲労回復)
- ビタミンB群(エネルギー代謝や神経系に大切)
- 乳酸菌・酵母菌(腸内環境の改善)
➡️ ただし、加熱調理をすると乳酸菌は死滅するため、生きた乳酸菌を摂りたい場合は
「味噌を溶き入れるタイミングは火を止めてからにしましょう。(生味噌の場合)
* 加熱しなくても乳酸菌は胃酸によって死滅しますし、生きて届いたからといって
効果があるというわけではないので必ずしも必要ではありません。
✅ 4. 食物繊維の一種「難消化性成分」も微増
- 熟成過程で一部の炭水化物が発酵分解され、「難消化性オリゴ糖」などが生成されることがあります。
- これらは腸内の善玉菌を活性化し、腸内環境を整える作用があります。
⚠️豆味噌などの熟成期間が長い味噌を使用するときのの注意点

まとめ:発酵期間が長い味噌の効果

豆知識:こだわり味噌を選ぶポイント
✅ 「生味噌」や「無添加」と表示されたものを選ぶ(余分に出汁などが入っていないものが良い)
✅ 原材料が「大豆・米・塩・麹」だけのシンプルなもの!
✅米味噌の場合は、熟成期間が半年以上はあるもの(豆味噌は長いものが多い)
✅ 酒精(アルコール)や保存料が入っていないかを確認(入っていれば発酵は止まっている)
✅ “木桶仕込み”と書いてあるものは本格派の証。お値段が見合えば購入してみても!
補足の豆知識① 木桶仕込みとは?
「味噌の本だる仕込み(ほんだるじこみ)」とは、味噌の伝統的な製法の一つで、木製の大きな樽
(=本だる、本樽)を使って、自然な熟成を長期間かけて行う製法のことです。
木桶仕込みの特徴:
- 天然木の樽を使用
→ 通常は杉の木などが使われます。木の香りや通気性が味噌に影響を与え、風味豊かな仕上がりになります。 - 熟成期間が長い
→ 一般的な大量生産の味噌は数ヶ月で仕上がるのに対し、本だる仕込みは1年以上熟成させることも珍しくありません。 - 添加物を使わない、天然醸造
→ 昔ながらの作り方にこだわり、温度調節なども自然まかせ。時間と手間をかけて発酵させます。 - 味に深みが出る
→ 木樽によって呼吸しながら熟成されるため、コク・旨味・香りが豊かになります。
まとめ
「木桶仕込み」本だる仕込み」と記載してあれば、昔ながらの本格的な味噌作りの製法。手間と時間がかかりますが、その分、深い味わいと香りが特徴の高品質な味噌ができます。
補足の豆知識② 味噌に酒精が入っている理由
✅①発酵を止めるため(熟成ストップ)
味噌は生きた酵母や乳酸菌によって、出荷後も発酵が進みます。
そのままにしておくと、風味が変化したり、膨張・液漏れの原因になることがあります。
そこで、酒精を加えることで微生物の働きを止め、品質を安定させます。
✅②保存性を高めるため(防腐効果)
酒精(エタノール)には殺菌作用があります。
これにより、冷蔵保存しなくても長期間保存できるようになり、スーパーなどで常温で販売できるようになります。
✅③色や風味の変化を防ぐ
発酵が進むと、味噌の色が濃くなったり、酸味が強くなることがあります。
酒精を入れることで、製造時の味や見た目を長く保てるようにしています。
🔍酒精入り味噌と無添加味噌の違いは?

酒精=保存のための「食品用アルコール」は、味噌の味や品質を安定させるために使われていて、加熱調理で揮発するため体に害はありません。
ただし、加熱せずに使う場合には酒精が入っていないものの方が良いでしょう。
当店で扱いのある味噌
ムソー株式会社 天然醸造 信州味噌 450g 730円

創業百二十余年の味噌蔵で熟練された職人の下、長野県産契約栽培米「コシヒカリ」でつくった米糀と長野県産の契約栽培大豆「ナカセンナリ」、沖縄の塩「シママース」を、自然の温度のままゆっくりと熟成させた生味噌です。
■自然の温度のままゆっくりと半年以上長期熟成させた天然醸造の味噌です。
■加熱処理をしていない生味噌ですので、乳酸菌や酵母や酵素が生きています。
■酒精は使用していません。
■原材料: 米(長野県産)、大豆(長野県産)、食塩
■製造日からの開封前賞味期間: 10ヶ月