痛み止め、がまんせずにすぐ飲んでいいんです!

頭がズキズキする、腰が重くてつらい――そんなとき、つい「痛みが治るかもしれないし、もう少しがまんしてみよう💦」と思っていませんか?

でも、実はその“がまん”、痛み止めの効き目を弱めてしまっているかもしれません。

痛み止めの多くは、「プロスタグランジン」という“痛みのもと”になる物質が体内で作られるのを防ぐ働きがあります。
しかし、一度プロスタグランジンが作られてしまうと、薬の効果は十分に発揮されにくくなってしまうのです。

つまり――

痛み止めは「痛くなり始めたタイミングで飲む」のが一番効く!

のです。

これは決して「すぐ薬に頼りましょう」という意味ではありません。

痛みは、体からの「どこか不調があるよ」というサインです。

痛み止めで一時的に和らげつつ、その原因を見つけて、根本から整えていくことが大切です。


痛み止めを“続けて”飲むリスク、知っていますか?

市販や処方の痛み止めに含まれる「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」は、胃の粘膜を守る『プロスタグランジン』も一緒に抑えてしまうことがあります。

その結果、胃が荒れたり、胃痛・胃もたれ・潰瘍の原因になることがあるのです。

また、体を冷やす作用があるという点にも注意が必要です。

東洋医学では、冷えが血の巡りを悪くし、慢性的な痛みやだるさにつながるとされています。

とくに冷えやすい女性は、『痛み止めに頼っている』ということが冷えの原因になっている可能性があるのです!


根本から「痛みを起こしにくい体」に

『がまん』は必要ありません。

痛みがあるのなら、体の声に耳を傾けて、その上で痛み止めを上手に使いながら、体のバランスそのものを整えることも大切です。

たとえば漢方薬には、体質を根本から調整し、痛みが起こりにくい状態に導いてくれる力があります。

冷えや血のめぐりの悪さが原因なら「血流を促す漢方」、ストレスや疲労が関係しているなら「気のめぐりを整える漢方」など、あなたに合った選び方ができます


[薬学的な補足]痛み止めの作用と注意点

◆ 痛み止めが効くしくみ:プロスタグランジンの合成阻害

代表的な鎮痛薬であるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、
痛みや炎症を引き起こす「プロスタグランジン(PG)」という物質の合成を抑えることで効果を発揮します。



NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の代表例

このプロスタグランジンは、体内でCOX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素の働きによって
作られます。

NSAIDsはこのCOX−2酵素を阻害することで、PGの生成をブロックし、痛み・熱・腫れを抑えるのです。
ただし、多くのNSAIDsは、胃粘膜の保護などに働くC O Xー1も阻害してしまうので、
効果と同時に副作用のリスクも抱えているのです。

◆ 胃が荒れるのはなぜ?

COX-1は、胃酸から胃の粘膜を守る働きをしています。
そのためNSAIDsを長期服用すると、胃粘膜が弱まり、

  • 胃痛
  • 胃もたれ
  • 胃炎や潰瘍

などを起こしやすくなります。

必要に応じて、胃薬を併用することも大切です。


◆ 痛み止めと「冷え」の関係

NSAIDsの一部には、血流を一時的に抑える作用があることがわかっています。

これは炎症を抑える上で有効ですが、末梢血管の収縮を招き、特に冷え体質の方では手足の冷えやだるさを感じやすくなることも。

東洋医学ではこれを「寒邪(かんじゃ)」の影響ととらえ、冷えからくる痛みは「温めて血を巡らせる」ことが治療の基本とされています。


◆ 連用による腎機能への影響にも注意

NSAIDsは、腎臓の血流を調整するプロスタグランジンの産生も抑えてしまいます。
そのため、脱水状態や高齢者、腎疾患のある方が長期間使用すると、腎機能の低下を引き
起こす可能性があります。


▼まとめ

観点ポイント
効果COX-2阻害によって、痛み・炎症を和らげる
副作用COX-1阻害により、胃障害や冷え、腎機能への影響も
対策胃薬の併用、体を冷やさない工夫、連用の回避

痛み止めは正しく使えばとても頼もしい存在です。
ただし、“使いすぎ”や“漫然とした使用”は、体に負担をかけてしまうこともあります。

❄️冷え性の人が気をつけたい痛み止めの選び方

痛みどめ& 東洋医学の視点から体をいたわる選び方を


① NSAIDs(一般的な痛み止め)は冷え性さんに注意が必要

イブプロフェンやロキソプロフェンなどのNSAIDsは、炎症を抑えて痛みを軽くする一方で、

  • 体を冷やす
  • 胃を荒らす
  • 長期使用で腎機能に負担がかかる

という副作用のリスクもあります。


② 体にやさしい「アセトアミノフェン」も選択肢に

アセトアミノフェン(例:タイレノールなど)は、

痛みを抑えたり熱を下げる効果はあり、胃にやさしく、体を冷やしにくいという特徴を持っています。
(ただし、炎症を抑える力は少ないため、患部の腫れなどには不向きです。)

冷え性・胃腸虚弱・高齢者にも使いやすい鎮痛薬です。


③ 冷えや体質に合わせた「漢方薬」でのケア

東洋医学では、「冷えや血行不良」が痛みの原因とされ、
体を温めながら巡りを良くすることで、痛みの出にくい体質づくりを目指します。


🧡【注目】芍薬甘草湯とは?

芍薬甘草湯は、急な筋肉のけいれんや痛みに即効で効く漢方薬。

  • ふくらはぎのこむら返り
  • 生理痛や腰痛が突然きたとき
  • 運動中や歩行中の痛み(足がつったなど)

など、「今すぐ痛みを止めたい!」というときに、即効性が期待できます。

ポイントは、「急性の痛みに特化している」こと。

慢性的な痛みではなく、「突然起こった痛み」に強い味方です。


④ 冷え性さんの痛みケアまとめ表

症状・体質おすすめの対応漢方薬の例
胃腸が冷えて痛む温めながら整える安中散
冷え+むくみ・生理痛血を補って巡らせる当帰芍薬散
瘀血+肩こり・冷え血の滞りを改善桂枝茯苓丸
頭痛+寒気・吐き気温めながら頭部をケア呉茱萸湯
急な筋肉痛・こむら返り早めに飲んで痛みを止める芍薬甘草湯
痛み止めを使いたくない人胃にやさしい選択アセトアミノフェン系

🍵冷え性の人は「今の痛み」も「これからの体」も大切に

痛み止めはとても便利ですが、体質に合わないと逆に負担になることもあります。

冷え性さんは、体を温め、めぐりを整える方法を選びながら、
“痛みが起きにくい”体づくりを目指していきましょう🌸


頭痛、生理痛、その他『痛み』にお悩みの方、痛み止めが手放せないのでなんとかしたい!
という方は、ぜひご相談ください🌺

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