「頑張れない自分」を責めていませんか?
― 50代女性のこころとからだの変化にゆらぐあなたに
最近、こんなご相談が増えています。
「やると決めたことができない」
「前はできたのに、今はすぐ疲れてしまう」
「そんな自分をつい責めてしまう」——。
真面目で、これまで頑張り続けてきた50代の女性ほど、このお悩みを抱えていらっしゃいます。でも、ここで一度立ち止まって考えてみてください。
それは、あなたが弱くなったのではありません。あなたの生き方が変わろうとしている証拠なのです。
人生を、山登りに例えてみましょう。
高い山の頂上を目指すことが、ただただ楽しかった20代。
その高い山に登るために、しっかり準備をして臨めた30代。
そんなに高くなくても、自分が満足できる山を探すようになった40代。
そして——もっと楽に、もっと自由に、登る場所を自分で決めていい50代。
同じ山にしがみつく必要は、もうないというだけのこと。
実は東洋医学の古典『黄帝内経』には、女性の心身は「7の倍数」の周期でステージが変わっていく、という考え方が記されています。
7歳で歯や髪が生え変わり、14歳で初潮を迎え、
21歳で体が最も充実し、28歳で心身のピークを迎える。
そして49歳(7×7)——ここが、生命エネルギーの土台である「腎」の力が大きく変化する
大きな節目とされているのです。
つまり50代は、何千年も前から「体が次のステージへ切り替わる時期」として位置づけられてきた、自然の摂理そのもの。
あなたが弱くなったからではなく、体が計画通りに、静かに変化しているだけなのです。
それなのに心だけが「20代や30代と同じ山に、同じペースで登れるはず」と思い込み、
自分にムチを打ち、脅すように「頑張らなきゃ」と繰り返してしまう。
このズレこそが、苦しさの正体です。
漢方薬は、この頑張れない状態を無理やり”頑張れる状態”に戻すための薬ではありません。滞っている気のめぐりをほどき、不足した血を補い、揺らいだ心とからだのバランスを、あなた本来のリズムに整えていく。そんな役割を担っています。
イライラして自分を責めてしまう日も、涙もろくなる日も、何もやる気が起きない日も——それはすべて、あなたが今まで積み重ねてきたものの上に立っている、自然な変化の一部です。
どうか、「頑張れない自分」を責める前に。
「今まで、本当によく頑張ってきた自分」を、少しだけ労ってあげてください。それは、頑張れなくなったのではありません。
あえて、長く人生を楽しむために、頑張らないと体が決めたのです。
無理に頂上を目指さなくていい。自分が心地よく歩ける、自分だけの山を、これから先も長く楽しむために——。
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