『免疫音楽療法』と自律神経


音楽を聴くだけで免疫力が上がる!

免疫力アップに音楽療法?リラックスと健康の深い関係

免疫力を高める方法といえば、食事や運動、睡眠が思い浮かびますが、実は 『音楽』も重要な役割
を果たしていることをご存じでしょうか?

音楽を聴くことでリラックスできるのはもちろん、ストレスホルモンが抑えられ、
免疫細胞が活性化することが科学的に証明されています。


特に、ゆったりとしたメロディや自然の音を取り入れた音楽は、心と体に心地よい影響を与え、
免疫力の向上につながると言われています。

今回は、音楽療法がどのように免疫力を高めるのか、そのメカニズムやおすすめの
音楽ジャンルについて詳しくご紹介します。忙しい毎日の中でも、手軽に取り入れられる
「音楽の力」で、健康な体を目指してみませんか?

現代社会で増えている『免疫系トラブル』

現代社会では、免疫系に関するさまざまなトラブルが増えています。
これらは ①免疫力の低下②特定のアレルゲンへの過敏反応③自己免疫疾患の患者数増加 という観点から説明できます。


① 免疫力の低下

免疫力の低下は、感染症にかかりやすくなったり、病気の回復が遅れたりする原因になります。現代社会では以下
の要因が免疫力を低下させると考えられています。

  • ストレスの増加:仕事や人間関係のストレスが長期間続くと、自律神経のバランスが崩れ、免疫細胞の働きが弱まります。
  • 睡眠不足:質の悪い睡眠や短時間睡眠が続くと、免疫機能を調整するホルモン(メラトニン、コルチゾールなど)
    が乱れ、体の防御力が低下します。

  • 栄養バランスの乱れ:加工食品の摂取増加や野菜不足により、免疫細胞を活性化させる栄養
    (ビタミンA、C、D、亜鉛など)が不足しやすくなっています。

  • 運動不足:適度な運動は免疫機能を向上させますが、デスクワーク中心の生活では運動量が減り、免疫細胞の働きが弱くなります。

② 特定のアレルゲンへの過敏反応

現代では、花粉症や食物アレルギー、ハウスダストアレルギーなど、免疫系が過剰に反応するケースが増えています。その背景には以下のような要因があります。

  • 衛生環境の向上:幼少期に適度な細菌やウイルスにさらされることが、免疫の正常な発達に重要ですが、
    現代は清潔すぎる環境になり、免疫系が異物を過剰に警戒しやすくなっています(衛生仮説)。

  • 化学物質や食品添加物の影響:人工的な化学物質が体内に入ることで、免疫系が異常に反応することがあります。

  • 生活環境の変化:都市部の大気汚染やPM2.5が、花粉症などのアレルギー症状を悪化させることが知られています。

③ 自己免疫疾患の患者数増加

自己免疫疾患とは、本来は外敵(細菌・ウイルス)を攻撃する免疫系が、自分自身の細胞や組織を誤って攻撃してしまう病気です。

代表的なものには 関節リウマチ、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE) などがあります。

  • ストレスや不規則な生活習慣:慢性的なストレスが続くと、免疫系が誤作動を起こしやすくなります。
  • 食品や環境因子の影響:食品に含まれる化学物質や環境汚染物質が、自己免疫疾患の発症に関与している可能性があります。
  • 遺伝と環境の相互作用:家族に自己免疫疾患を持つ人がいる場合、発症リスクが高まることが知られていますが、
    生活習慣の変化が発症を後押ししていると考えられています。

まとめ

現代社会では 免疫の低下・過剰反応・誤作動 の3つの問題が同時に進行しています。

これらは ストレス、生活習慣の乱れ、食品・環境の変化 などと深く関わっています。

健康な免疫を保つためには、適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理が重要です。

このストレス管理に役立つのが、今回ご紹介する『免疫音楽療法』です。



音楽療法の身体への影響



音楽が免疫力の向上に寄与することは、さまざまな研究で示唆されています。

例えば、USENが埼玉医科大学短期大学部の和合治久名誉教授と共同で行った実験では、
特定の音楽を聴くことで以下の効果が確認されました。 

  • 体温の上昇:手の甲の体表面温度が上昇し、副交感神経の刺激による血流改善を示唆した

  • 唾液中の分泌型IgAの増加:唾液中の免疫物質である分泌型IgAの量が増加し、
                口腔内および体表面の免疫力向上が示された

  • 気分の改善:音楽を聴くことで、抑うつや不安などのネガティブな感情が軽減され
         リラックスした快適な気分が増加した

さらに、別の研究では、音楽を聴くことでストレスホルモンであるコルチゾールの値が下がり、
免疫力が上がることがわかっています。 

これらの結果から、音楽を日常生活に取り入れることが、免疫力の向上やストレス軽減に効果的
であると考えられます。



『免疫音楽療法』とは?

古代ギリシャの哲学者、プラトンは『音楽は魂の薬』だと述べています。

和合治久先生が提唱する『免疫音楽療法』は、音楽を活用して免疫力を高め、健康維持や病気予防
を目指す療法で、特に、モーツァルトの音楽が副交感神経を刺激し、心身のリラックスや免疫機能の向上に
役立つとしてさまざまな研究が報告されています。

現代社会では、ストレスや不規則な生活習慣により交感神経が優位になりがちで、これが免疫力の低下や
生活習慣病のリスク増加につながります。

特にストレスを感じていない場合でも中年期以降は、交感神経が優位になってくるため、血圧が上昇したり
動悸がしたりといつも体が『頑張っている』状態を強いられてしまうと言われています。

和合先生の研究によれば、モーツァルトの音楽を聴くことで副交感神経が活性化し

●血圧や心拍の安定

●唾液の分泌促進

●体温上昇

などのが見られたと報告されています。

また、特定の周波数、特に528Hz(ソルフェジオ周波数)を含む音楽には、細胞の修復や心身の
安定に効果があるとされ、和合先生はこれを「聴く薬」と表現しています。 



このように、音楽を日常生活に取り入れることで、ストレスの軽減や免疫力の向上が期待でき、
健康寿命の延伸にもつながると考えられています。


どんな音楽が免疫力を上げる?



1. モーツァルトの楽曲が多用される

  • モーツァルトの音楽は、 規則正しいリズム・明るい旋律 を持ち、副交感神経を
    刺激しやすいとされています。
  • 心拍や呼吸のリズムを整え、 ストレス軽減やリラックス効果 を促します。


2. 528Hz(ソルフェジオ周波数)が含まれる

  • 528Hzは「愛の周波数」 とも呼ばれ、 細胞の修復や自己治癒力を高める 
    効果があるとされています。
  • DNA修復を助けるとも言われ、免疫向上に関与すると考えられています。


3. ゆったりしたテンポ(60~70BPM)の楽曲

  • 人の安静時の心拍数に近いテンポ(1分間に60~70拍)の音楽は、自然とリラックスを促し、自律神経を整える 効果が期待できます。
  • これにより、ストレスが軽減され、免疫機能が向上すると考えられています。


4. 高周波成分を多く含む音楽

  • モーツァルトの楽曲をはじめとする 高周波(4,000Hz以上)の音が豊富な音楽 は、大脳を活性化し、
    ストレスホルモンの低減 に役立つとされています。

    これにより、心身のバランスを整え、免疫力が向上する可能性があります。

5. 自然音や倍音を含むヒーリングミュージック

波の音、鳥のさえずり、川のせせらぎなどの 自然音 を取り入れた音楽は、脳波を安定させ、副交感神経を
優位にする働きがあります。

また、シンギングボウル や 倍音楽器 の音は、心身の調和をもたらすとされ
リラクゼーション効果が期待できます。


音楽を聴くポイント



● ヘッドホーンやBGMで1回に20〜30分を1日2〜3回
● 目を閉じて集中して聴く(何かをしながらではなく音楽に集中する)


以前、免疫音楽療法の第一人者、和合先生のご講演を拝聴したときには

『モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218第3楽章』を例に挙げて
その効果をご説明いただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=OzbfkPAYWIM

『音楽免疫療法』の第一人者 和合治久先生について

専門分野は比較免疫生物学と免疫音楽医療学で、人間を含む動物の生体防御機構の研究に従事されています。
また、音楽療法の第一人者としても知られ、音楽が免疫力や健康に与える影響について多くの研究を
発表されています。

著書や監修CDも多数発表されており、主なものに「最新・健康モーツァルト音楽療法」シリーズ、
「認知症にならないためのCDブック」、「癒しのモーツァルト~自律神経を整える4000Hz」などがあります。 

各地での講演や音楽セラピーコンサートを通じて、音楽療法の普及と「治未病」活動を積極的に展開、
また、テレビ・ラジオ、医学・健康雑誌など多方面で活躍されており、音楽を通じて人々の健康維持
増進に貢献されています。

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