目次
ストレスって悪者?

~頑張る女性に知ってほしい「心のセルフケア」~
「ストレス」という言葉は、カナダの生理学者ハンス・セリエ博士によって、初めて医学の世界で使われました。
博士は、人が外からの刺激――寒さや病気、ケガ、あるいは怒りや不安などの精神的な緊張を受けたとき、体がその変化に“適応しようとする反応”が起こることを発見しました。
これが「ストレス学説」と呼ばれるものです。
つまり「ストレス」とは、外の刺激そのものではなく、刺激を受けたときの体の反応のこと。
その反応が不快であれば、私たちは「ストレスを感じる」と思うのです。
ストレスは悪者ではありません
セリエ博士は「ストレスは人生のスパイスである」とも言っています。
適度なストレスは、やる気を高め、集中力や記憶力をアップさせ、仕事や家事の効率を良くしてくれます。
つまり、“心地よい緊張感”は生きがいにつながるエネルギーなのです。
しかし、強すぎるストレスや、長く続くストレスは、心身にさまざまな不調を起こします。
「ストレスに強くなる」とは、ストレスを感じないようにすることではなく、交感神経が過剰に反応しないように上手にコントロールすること。
そのために必要なのが、「心の柔軟性」です。
心の柔軟性とは?
心の柔軟性とは、ゴムホースのようにしなやかに変化に対応できる心のこと。
いくら強くても、固い木の枝のようでは、いずれ折れてしまいます。
一方、柔らかい心は、形を変えながらも折れることなく、しなやかにストレスを受け流せます。
これが「ストレスに強い心」です。
感情をコントロールすることが鍵
ストレスをコントロールするには、感情のコントロールが大切です。
ここで大事なのは、「気持ち」と「感情」は違うということ。
- 気持ち…「嫌だな」「悲しい」「つらい」など、心の意見や感じ方
- 感情…「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」といった情緒の動き
感情は脳の神経伝達物質によって動かされます。
中でも「怒り」はとても強いエネルギーを持ち、交感神経を一気に刺激します。
その結果、動悸、冷や汗、血圧上昇、胃痛、便秘、頭痛、睡眠トラブルなど、体の不調へとつながります。
一度高ぶった交感神経は、意識してもすぐには元に戻りません。
だからこそ、「怒りを爆発させない」ことが、最も効果的なセルフケアなのです。
怒りを感じたら、その場を離れる
感情的になりそうなときは、その場からそっと離れること。
怒りは相手にぶつけても、最終的には自分を苦しめます。
冷静になってから、「私はこう感じた」と自分の気持ちを伝えるようにしましょう。
相手を責めるのではなく、自分の感じたことを淡々と伝える――それが、感情を上手に整える第一歩です。
もし話すのが難しい場合は、紙に書いて破って捨てても構いません。
神社やお寺で空に向かって手放してもいいのです。
大切なのは、「マイナスな気持ちを抱え続けない」こと。
ため込むほど、感情のエネルギーは大きくなり、心の爆弾になってしまいます。
自分の限界を知ることも「強さ」
ときに、どんなに頑張っても、自分の感情をコントロールできなくなることがあります。
それは「弱さ」ではなく、脳内ホルモンのバランスが崩れているサイン。
うつ状態では、感情のコントロールが難しくなるのです。
そんなときは、一人で抱えず、医師やカウンセラーにご相談ください。
薬の力や専門家のサポートで、自分を少しでも楽にしてあげましょう。
今日からできる、心のセルフケアポイント
- ストレスは外の刺激ではなく、体の反応
- ストレスを「なくす」よりも「コントロール」
- 「怒り」をぶつけず、「気持ち」を伝える
- マイナスの気持ちは、抱えず手放す
- 自分で抱えきれないときは、専門家に頼る勇気を
心は「鍛えるもの」ではなく、「育てるもの」です。
家事に、仕事に、家族にと日々頑張っているあなたへ。
少しだけ、立ち止まって自分の心をやさしく撫でてあげてくださいね。
その積み重ねが、ストレスに負けない、しなやかで美しい心を育てていきます。
ストレスを減らすための小さな行動
私たちは、日々たくさんの感情の中で生きています。
元気なときは気持ちのコントロールもできますが、強いストレスを感じていると、心が揺れやすくなり、感情を抑えることが難しくなります。
たとえば「怒り」。

怒っているときの表情を思い出してみてください。
眉間にシワが寄り、口元がゆがみ、目は鋭くなっているはずです。
その「怒り顔」がくせになってしまうと、シワやゆがみがそのまま残ってしまうことも…。
実は、怒りは美容にとっても大きなマイナスなんです。
そんなときにおすすめなのが、
「行動」や「しぐさ」「言葉の使い方」「生活パターン」を少し変えること。
感情は、心だけでなく身体や食事とも深くつながっています。
ストレスに負けない強い心と身体は、
日々の小さな選択や積み重ねから作られていくのです。
意識して日常を整えることで、
少しずつ心の波が穏やかになり、
怒りやイライラも自然とクールダウンしていきます。
繰り返し続けていくうちに、気づけば心も身体も軽くなっているはずです。
ここでは、交感神経を必要以上に興奮させないための
「ちょっとしたコツ」をご紹介しています。
特別な技術や道具は必要ありません。
大切なのは、「変えてみよう」という小さな意識です。
ストレスと上手に付き合う8つの習慣
① 受け入れる
変化は、「自分を受け入れた瞬間」に起こります。
自分の感情や気持ちに気づくこと——それが変化の第一歩です。
たとえネガティブな感情であっても、「こんな気持ちなんだな」と認めてあげましょう。
無理に消そうとせず、ありのまま受け入れることからすべてが始まります。
受け入れた瞬間から、あなたの中で少しずつ変化が起こり始めます。
② 怒るのではなく、感情を伝える
怒りの感情が湧いたときは、一度立ち止まってみましょう。
「私は何に怒っているんだろう?」
「怒って、何か良い方向に変わるのかな?」
と自分に問いかけてみてください。
眉間にシワを寄せた表情は、美しさとはほど遠いもの。
「これはシワが増えるだけの価値があるの?」と心の中でつぶやいて、
その場を離れて深呼吸するだけでも気持ちは落ち着きます。
③ 入浴でリセットする
38〜39℃くらいのぬるめのお湯は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
ラベンダーやオレンジなど、穏やかな香りの精油をブレンドしたバスソルトを使うのもおすすめ。
お風呂から上がったら、ハーブティーを飲みながら、
ストレッチや深呼吸でゆったりとした時間を過ごしましょう。
眠る1時間前にお風呂を終えておくと、深い眠りにつながります。
④ 眠る
睡眠中は、副交感神経が働き、脳と身体がリセットされます。
眠りが浅いと交感神経が高ぶったままで、翌日に疲れやイライラを持ち越してしまいます。
同じ出来事があっても、体調によって受け止め方が変わるもの。
怒りっぽく感じる日があるのは、あなたが悪いのではなく「疲れているだけ」。
しっかり眠って、脳と心にやすらぎを与えてあげましょう。
⑤ 血糖値を安定させる
イライラや気分の浮き沈みは、血糖値の変動とも深く関係しています。
甘いものや白いご飯・パンなどを一気に食べると、血糖値が急上昇し、
その後、急に下がるときにイライラや不安を感じやすくなります。
血糖値をゆるやかに上げる食事を心がけることで、
気持ちの波が穏やかになり、ストレスにも強くなれます。
おすすめは:
- 食事の最初に野菜やたんぱく質から食べる
- 間食にはナッツ、チーズ、ゆで卵などを選ぶ
- 甘いものは食後に少しだけ
「血糖値を整えることは、心を整えること」。
食べ方を少し変えるだけで、気分の安定と美容の両方にうれしい変化が生まれます。
⑥ コーヒーの香りでひと休み
コーヒーの香りを嗅ぐと、ふっと気持ちが落ち着くことがありますよね。
実際に、深煎りのグァテマラやブルーマウンテンには、
リラックス効果があると報告されています。
ただし、カフェインの摂りすぎは交感神経を刺激します。
飲むよりも「香りを楽しむ」ことを意識してみましょう。
丁寧に淹れたコーヒーの香りを深く吸い込む——それだけで、心がほどけていきます。
⑦ とにかく歩く
「歩く」ことは、最も手軽で効果的なストレス解消法です。
15分ほど歩くと、脳内に“幸せホルモン”と呼ばれるβエンドルフィンが分泌されます。
この物質は、幸福感を高め、血流を促し、肌のツヤや透明感まで引き出してくれます。
イライラしたり気分が落ち込んだら、外に出て歩いてみましょう。
風を感じ、空を見上げて歩くだけで、心の中のモヤモヤが少しずつ晴れていきます。
⑧ 香りでリラックス
香りは、脳の中でも感情や自律神経をつかさどる「大脳辺縁系」に直接働きかけます。
心地よい香りを嗅ぐと、自然に神経の緊張がほぐれ、気持ちが落ち着いていきます。
ティッシュにエッセンシャルオイルを数滴垂らして、枕元に置くだけでも効果的。
おすすめの香りは以下の3つです:
- ラベンダー:ストレスを浄化し、疲れた心を優しく包み込みます。
- ネロリ:不安やショックから心を守り、安心感を与えてくれます。
- サンダルウッド:焦りや怒りを鎮め、深い安らぎをもたらします。
⑨ 笑う
笑いは、最強のストレス解消法。
笑うことで交感神経の緊張がゆるみ、免疫力を高めるナチュラルキラー細胞も活性化します。
おもしろくなくても大丈夫。
「笑うから楽しくなる」——これが笑いの力です。
作り笑いでも、脳は「幸せ」と感じ、身体がリラックスします。
朝鏡の前で笑ってみるだけでも、気分が軽くなりますよ。
💫 おわりに
更年期は、心も身体も大きく変化する時期。
でもそれは、「自分と向き合うチャンス」でもあります。
日々の小さな行動を少しずつ変えることで、
ストレスに強く、しなやかに生きられるようになります。
今日できることを、ひとつだけ。
笑う、歩く、香りを楽しむ、食べ方を変える——
どれもあなたを癒す、小さな魔法です。
🌿 漢方で、心と身体のバランスを整える
ストレスを感じやすいときは、
身体のバランスが少し乱れているサインかもしれません。
漢方では、「気(エネルギー)の巡り」や「血の流れ」「自律神経の調和」を整えることで、
心のゆらぎをやさしくサポートしてくれます。
イライラしやすい、眠りが浅い、気持ちが沈みやすいなど、
更年期に多い不調には、体質に合った漢方薬を取り入れるのもひとつの方法です。
無理をせず、自然の力を少し借りて——
“内側から整える”という考え方も、ストレスケアの大切な選択です🌸
漢方薬外にも、ストレス管理に役立つ天然由来の健康食品もございます。
お気軽にご相談くださいね。
💫 おわりに
更年期は、心も身体も大きく変化する時期。
でもそれは、「自分と向き合うチャンス」でもあります。
日々の小さな行動を少しずつ変えることで、
ストレスに強く、しなやかに生きられるようになります。
今日できることを、ひとつだけ。
笑う、歩く、香りを楽しむ、食べ方を変える——
どれもあなたを癒す、小さな魔法です。

