ストレスの正体は?
『ストレス』という言葉は、カナダの生理学者であるハンス・セリエ博士によって初めて医学用語として使用されました。
博士は、「生体が外部から寒冷、外傷、疾病、あるいは怒りや不安などの精神的緊張(ストレッサー)を受けたとき、これらの刺激に適応しようとして生体に一定の反応が起こる」ことを発見し、これを「ストレス学説」と名づけました。
ストレスがかかった状態とは、「なんらかの刺激が体に加えられた結果、体が反応して精神や体の変調をきたした状態」だと言えるでしょう。
病気の原因はストレス??
何か不調を感じ、病院に行って検査をしても何も異常はない。
医師からは『ストレスですね』『しばらくゆっくりとした方がいいですね』『軽い薬を出しておきますね』
で診察終了。
医学的には、この周囲の環境や物事に反応して心身に異常をきたすという状態を『適応障害』と呼んでいます。
どんなことがストレスになるのかは人によって違う!
同じ環境で同じ事が起こっても、ストレスを感じて不調になる人とそうでない人がいます。
ちょっと負荷がかかる方がやる気になる!という方も多いでしょう。
適度なストレスは、交感神経を活発にして
●やる気を出す ●記憶力を高める ●仕事を効率的に組み立てる
などと、大脳の機能をフルに使い私たちは、「生きがい」や「やりがい」「心地よさ」などを感じられます。
でも、『適度なストレス』というのが人によって違うので、身体が過剰に反応してしまう方もいるのです。
ストレスに強くなるとは?
では、ストレスに強くなることはできるのでしょうか?
ストレスに強くなるとは、交感神経が過剰な反応を起こさないようにコントロールするということです。
交感神経・副交感神経をきたえて、『ちょっとしたことに動揺しない・受け入れる・自分を許す』心を持てるようになると、以前はストレスに感じていたことも、体が反応しないようにできるのです。
あ、そうか、じゃあそうしよう! とすぐに変わることはできませんが、少しの工夫、毎日の積み重ね、ちょっとした行動の繰り返しで自分の反応を変えることはできます。
癒すだけではストレスに強い心は作られない!
疲れたを心を癒やすことはもちろん大切です。
日常から抜け出して、のんびりと自然の中でキャンプをしたり、温泉に行ったり。
でも、癒しだけではストレスには強くなりません。
心の強さとは、ガマンして物事に耐えたり、そのことを忘れたり、記憶を捨ててしまうことではなく、「心の柔軟性」のことです。
いくら固くても、いつかはぽきっと折れてしまう木の枝ではなく、どんな隙間にも形を変えて入って行けるゴムホースのような柔軟な状態に心をすることが、ストレスに強くなるということです。
まとめ
●「ストレス」の正体は、外界刺激に対するからだの反応である
→ 反応を変えることができる
● からだだけではなく心にも柔軟性が必要