
● ちょっとなことでイライラしてしまう
● 集中力が続かない
● 気分が乗らず、やる気が出ない
● 感情が鈍くなったような感じがする
● ドキドキして落ち着かない
●なかなか眠れない・・
そんな「こころとからだの不調」、実は血糖値の乱れが関係していることをご存知ですか?

「ついこの間まで元気だったのに、急に様子が変わってしまった…」
高齢の方にこうした変化が見られるとき、血糖値の低下が関わっていることも少なくありません。
実は“心の元気”にも、血糖値は深く関係しているのです。
「年齢のせいかも」と病院で“加齢性のうつ”と診断されて、お薬を出されることもあります。
でも、そうしたお薬が合わず、かえって元気がなくなってしまう方もいらっしゃいます。
特に甘いものが大好きな方や、食後に必ず甘いものを食べる習慣がある方は、
血糖値の急な変動が、心身の不調に影響していることも考えられます。
血糖値は、私たちの心の安定や集中力にも深く関わっており、食生活や生活習慣の影響を強く受けます。
このコラムでは、なぜ血糖値のアップダウンが心の不調につながるのか、
そしてどんな対策があるのかを、わかりやすくご紹介します。
目次
🔍【血糖値とは?】
血糖値とは、「血液中のブドウ糖の濃度」のことです。
ブドウ糖は脳や体の大切なエネルギー源で、一定の範囲に保たれることが健康維持に必要です。
一般的には「血糖値が高いこと」が健康上の問題としてよく取り上げられますが、
実は、血糖値が高い状態よりも、血糖値が下がりすぎることの方が、私たちの心と体に大きな不調を引き起こすことがあるのです。
血糖値が低下すると、脳や神経へのエネルギー供給が不十分になり、
- イライラする
- 集中できない
- 気分が落ち込む
- めまいや動悸が起こる
などの症状が現れやすくなります。
「血糖値が高い=悪い」と考えがちですが、
実際には、血糖値の“乱高下”や“低下しすぎ”の方が、日常的な不調や精神的な不安定さにつながりやすいのです。
📉【血糖値の乱れが起こす主な影響】

🧠【血糖と脳の関係】
脳は正常の状態では、ブドウ糖を主なエネルギー源としている臓器です。
血糖値が急に下がると、脳の働きが一気に鈍くなり、
- 集中力が落ちる
- 記憶力が低下する
- 感情の起伏が激しくなる
- 急に不安になったり、涙が出たりする
といった「心の不安定さ」が出やすくなります。
〜さらに詳しく〜
🧠【脳が使う主なエネルギー源】
① ブドウ糖(グルコース)
- 通常の状態で、脳のエネルギー源の約95%以上を占める。
- 神経伝達物質の合成やシナプス活動にも不可欠。
→ 健康な状態では、ブドウ糖が主な燃料です。
② ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸など)
- 糖質が不足したとき(断食・糖質制限・飢餓状態)に、肝臓で脂肪から作られる。
- 脳でも利用可能で、最大でエネルギーの60%程度まで代替できる。
- アルツハイマー病の研究でも注目されており、「脳のエネルギー危機」を補う手段として研究が進んでいる。
→ ブドウ糖が不足したとき、ケトン体が代わりに使われる。
③ 乳酸(ラクテート)
- 筋肉やグリア細胞から産生される。
- 激しい運動や一部の病態時に、脳内で局所的なエネルギー源として利用される。
→ あくまで補助的ですが、エネルギー源として役立つ場合があります。
🧬【エネルギー利用の仕組みと切り替え】
状態 | 主なエネルギー源 | 補助的な燃料 |
---|---|---|
通常の食生活 | ブドウ糖 | 少量の乳酸 |
断食・糖質制限 | ケトン体 + ブドウ糖 | 少量の乳酸 |
極限状態(飢餓、重症) | ケトン体が主体 | アミノ酸由来の糖新 |
通常、脳はブドウ糖を主要なエネルギー源として使っていますが何らかの原因により、ブドウ糖が不足すると、ケトン体や乳酸などを利用する柔軟性があります。
⚠️【なぜ血糖が乱れる?】
- 甘いもの、パン、麺類など血糖値を急上昇させる食事
- 空腹時間が長い
- 朝食を抜く
- ストレスや睡眠不足(インスリンの働きを乱す)
- カフェインやアルコールの摂りすぎ
これらの習慣は「血糖値のジェットコースター」を引き起こし、心と体に悪影響を与えます。
特に、急激に血糖値が上がった後の反動として起こる低血糖が、不調の原因となることがあるので
『急激に血糖値を上げない工夫』が大切です。
⚖️ 血糖値を安定させるための食事の工夫10選

🍡どうしても甘いものをやめられない方へ!
食後に甘いものを食べるのが好き!という方も多いでしょう。
でも、食後すぐに食べてしまうと、食事と合わせて血糖値の上昇が急激になり、さらにその反動として血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。
