「疲れているのに眠れない」——もしかして、脳が疲れ果てているサインかも

梅雨から初夏のこの時期、

「布団に入ってもなかなか眠れない」
「夜中に何度も目が覚めてしまう」……そんな経験はありませんか?

蒸し暑さやホットフラッシュのせいだけじゃないかもしれません。

じつは最近の研究で、ストレスや睡眠不足が続くと、脳そのものが「疲れた状態」になってしまうことがわかってきています。


● 脳の中で、静かに何かが起きている

私たちの脳には、ふだんは脳を守るために働いてくれている免疫細胞(ミクログリアといいます)があります。

でも、ストレスや寝不足が重なると、この細胞が「危険だ!」と勘違いして過剰に反応してしまい、脳の中で小さな炎症が慢性的に続くようになります。

この状態になると、夜になっても脳が「まだ戦闘モード」のまま。


眠りを誘うホルモンがうまく出なくなり、体はへとへとなのに頭だけ妙に冴えている……という、あの感覚につながります。

50代はホルモンバランスが変わる時期なので、もともとこの調整がうまくいきにくくなっています。

そこに梅雨の気圧変動や蒸し暑さ、ホットフラッシュが加わると、悪循環に入りやすくなるのです。


● 東洋医学では、こう考えます

同じことを東洋医学では「心腎不交(しんじんふこう)」という言葉で表します。

少し難しい言葉ですが、イメージはとてもシンプル。

東洋医学では、心(気持ちや思考を司る)と腎(生命エネルギーを蓄える)がお互いをちょうどよく調節し合っている状態が、安眠の土台だと考えます。

でも、疲れやストレスで腎のエネルギーが不足してくると、心の「熱」が抑えられなくなって、夜になっても気持ちが鎮まらなくなってしまいます。

更年期の50代は、この「腎のエネルギー不足」が起きやすい時期。


夏の暑さがそこに重なる6・7月は、とくに眠りが乱れやすい季節と言えます。

「なんか最近、眠りが浅いな」と感じていたら、体が出しているサインかもしれません。


● 今日からできる、やさしい養生法

① 夜ごはんに「腎を養う」食材をひとつ


黒ごま・黒豆・山芋・豆腐・クコの実など、体をゆっくり滋養してくれる食材を夕食に取り入れてみて。


特に豆腐や百合根(ゆりね)は、心の熱をやわらげる働きもあると言われています。

② 眠る1時間前は、画面をそっと閉じる


スマホやパソコンの光は、眠りを誘うホルモンの分泌を妨げます。寝る前の1時間は、脳をゆっくりお休みモードに切り替える時間と決めてみましょう。


③ 足の裏を温める

足の裏の中央あたりにある「湧泉(ゆうせん)」というツボは、腎のエネルギーを補うと言われる場所。

寝る前に温かいタオルや足湯で足裏を温めると、頭の熱がすっとおりて眠りやすくなります。

はんなり堂薬局でも取り扱いのある、邵氏温灸器』もおすすめです。


④ 朝、窓のそばで空を見る


起きたらすぐに朝の光を浴びる習慣が、体内時計を整えて夜の眠りをサポートしてくれます。

曇りの日でも大丈夫。窓際で深呼吸して、2〜3分、朝の匂いを体に感じるだけでOKです。


「なんで私だけこんなに眠れないんだろう」と思っていた方も、脳と体のしくみを知ると、少し気持ちがラクになりませんか?

完璧に眠ろうとしなくていい。まずはひとつだけ、今夜から試してみてください。

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